年末に友人の紹介で、乙武さんが家に遊びに来てくれました。
(ノ`Д´)ノ←驚き喜んでおる私。。
実は乙武さんの「五体不満足」を昔読んで、皆と同じように感動したひとりだったのですが。。。この本は私がずっと忘れられない本でもありました。
私は長い長い不妊治療の上で娘を授かりました。
また、実は娘を授かる前に一度妊娠したことがあり、お腹もかなり大きくなっていた定期検査の時に、赤ちゃんがお腹の中で心臓が止まって亡くなっていた、という経験もしました。
そういう事情でもありましたし、2回目に妊娠した時に、医師から血液検査、羊水検査等の出生前診断をするようにと言われました。
でも、私はその検査を一切しないということを決めました。
その時、何度も思い出したのは、乙武さんの本の中で、お母様が、乙武さんを産んで最初に見た時の一言でした。
「かわいい」
たぶん、私も、そう思う。
どういう状態で産まれてきても、きっと「かわいい」に違いない。だから、大丈夫だ、と。
でも、その時に、旦那は相当悩んだみたいです。
赤ちゃんが障がいをもって産まれて来た場合の、離婚率の統計、カウンセリングのデータみたいな論文なども読んだみたいです。
彼は責任感が強い人なので、自分に、もし一生一人で自立できない子ができた場合、自分が老いてから、その子をどう支えていく事ができるのだろうか、という経済的なことも考えたそうです。
私の方はまったく理性的に考えられる状態でありませんでした。そもそも前の赤ちゃんもお腹で育たなかった経験から、今回も育つのかどうかわからないので、ただその命を守る事で必死でした。
その時に、色々と悩んでいる旦那に嫌みを言ったりしてしまいました。
それでも、旦那は、人それぞれ「選択」というのがあるし、それぞれの人が選ぶ、その選択は、尊重されるべきと思うと言いました。
私も悩みました。私たちは当時、米国に住んでいたのですが、子供が病気の場合、莫大な医療費がかかります。経済的にもつんだろうか。
でも、最終的に私はこう言いました。
「生まれて、もしも障がいがあれば、色んな意見の相違やささいなことで喧嘩することになって、お互い疲れて、別れる事になってしまうかもしれない。大変なことも想像できないくらい山ほどあるだろうと思う。それでも私はたぶん「かわいい」と思う心だけで一心不乱に育てるのだと思う。
楽じゃないと思う。でも、産まれる前に検査して堕ろすという選択は私にはないです。ごめんなさい」
旦那は
「堕ろすとかじゃなくて産まれる前にわかったら、心の準備だってできるでしょう」
と言いました。
「私は弱い人間なので、わかったら悩みがうまれてしまうかもしれない。それが怖いです」
そう言って、私は、おいおい泣きました。
その夜、彼はずっと背中をさすってくれました。
色々と話し合いました。
その後、何日かして、彼は「子供をもつのは、別に生前に限らずいつでもリスクだ」と結論に至った、と話してくれました。子供は、生まれてからでも途中で病気になったり事故にあって動けなくなる可能性だってある。
パーフェクトはない。
そして、どんなことがあっても愛する、本人が巣立てる為にやれるだけのことをする。
それを自覚することが親になることなんだろうかな、と腹落ちしたので、自分は、そうすることに決めた。
でも、これは私たちの選択であり、人は、個人個人違う選択があり、おかれた状況があり。
その上での結論があると思います。人生はどれが正しくてどれが正しくない、なんてないと思います。
ただ、お互いが、途中言い方や内容に傷ついたりしながらも、納得できるまで、正直に徹底的に話しあえたことは、夫婦関係にとって大きかったと思っています。
あれから、9年。
実は、乙武さんが書いた小説「だいじょうぶ3組」を買って、娘が寝る前にいつも数ページ読んであげていました。まさかご本人に会えるなんて思いもせず。。
だいじょうぶ3組
この本がすごいのは、読んでから、娘の告白タイムがはじまるところです。
『実はね〜学校でこういうことがあって』
『こんなことあって、あの時、でも誰にも言えなくて』
普段話さないことをこの本が刺激するのか娘が饒舌になるのです。
それが、親子の非常に良いコミュニケーションになっています。
私は、乙武さんのおかげで、夫婦間も親子間も「深くコミュニケーションをする」という、きっかけをもらっていたのです。ほんとありがたいです。
追記
本人に会った感想?
乙武さんは、大学時代の友人によれば、もてることで学生時代から有名だったそうですが、いや、ふつ〜に、かっこ良かったです。そして、話の内容が潔い。もてるのわかります。笑