2014年05月31日

夢とお金

小学5年生の娘、最近、写真を撮るのに夢中になっています。
「これどう?」と自慢げに見せてくれます。

画像2



「わたし将来写真家になろうかな〜」と言うので
「素敵ね〜」と。

最近何度も写真家になりたいと言うので、
「じゃ、あなたの写真いくらで売るの?」と聞いたら、

「う〜〜〜ん。300円かな」

可愛すぎて、笑ってしまって「じゃ、毎月何枚売れば生活できるかな?」と聞いて見る。


そんな話から、写真家として生きていくには、どういう方法があるかって話になりました。
雑誌と契約してるカメラマンもいるし。新聞の記事なんかのジャーナリズムカメラマンもいるよね。商品専門の人も、スターを撮るカメラマンもいる。


「あ、そういえば、1枚を3億3千万円で売っちゃうカメラマンもいるのよ」


アンドレアス・グルスキーさんの作品Gursky



「え〜これ私でもとれる!」
「ん〜、でも、あなたが、撮ったものには3億3千万円出す人がいない。でも、グルスキーさんには出す人がいる」
「どうして?」
「ママにも本当のところは、わからない。」
娘がとっても不可解そうだったので、ちょっと説明を試みてみる。

「でもたぶん高い理由はある。マーケットかな」
「???野菜とか売ってるとこ?」

「そう。日本語では、しじょうっていうのよ。市場を意識するのが大事なの」
「なんで?」
「買いたい人と売りたい人がいるでしょ。それによってモノの価格とか価値が変動するの。すごい良いものでも、マーケットで値段が、つかなければ売れないのよ」

それから、ふたりでアイスクリーム食べながら写真アート作品と価格をたくさん検索し比較して楽しみました。

小学生の娘ちゃん「もっときれいな写真他にたくさんあるのに、なんでこんな写真がこんなに高いの? マーケットって、なんだかわけわかんない〜〜」ってもっと混乱してました。笑
  

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2014年05月25日

ANAをやめてJALにしたわけ

2003年、今から10年前、JALが新しいロゴを発表した日のこと。
良く覚えています。

JALLOGO1


私は、その頃、まだニューヨークにいました。
「気持ち悪い」本当に申し訳ないけど、このロゴを見た時に瞬間にそう思いました。

私は、もともとデザイナー。米国で、デザインの賞もいくつかもらっています。デザインのプロとしての目から見て、「どうして、こんなことになっちゃったんだろう」というのが正直な感想。


JALがそれまで使って来たロゴはこれ↓

JAL1989-2003



どう見てもこの元のロゴの方がいい。新しいロゴは居心地が悪いぐらいに、バランスも色もカタチも全てが。。。う〜ん、なのでした。

なので、2003年、私は、多くのNYの人達に、
「JALロゴの改変がねぇ。。駄目すぎで、JALあんなんじゃ、つぶれちゃうかも」と言ってました。

それを聞いた皆さんは、笑いながら、「よーこさん、ロゴぐらいで大げさだなぁ、(笑)」って反応でした。

だから、JALが2010年に、経営再建を図ることとなった時に、NY時代にそれを聞いていた人達から、相当に驚かれました。「よ〜こさん、内部事情知ってたの?」(@@;と。

いえ、全然知りません。もちろん。苦笑

でも、ブランドとしてのロゴが、ここまでひどくなる場合は、視覚とかデザインの問題ではなく、経営体質の問題があるかもと当時は思ったのも事実です。

一般論ですが、デザインが相当に違和感ある仕上がりになる場合、だいたい大きくわけで以下のような問題があることが多いです。

経営側が、素人であるに関わらず、色々勝手なことを言って変えさせる。
そして、プロであるディレクターやデザイナーが不本意にも、言う事を聞かなければならなかった。

OR

ヘンなのに、皆違うとわかっていても、途中で止めることができる人がいない。

一般的に、そのあたりが主な原因です。

つまり、そういうことが起きる時には

1.
専門職(プロ)からの助言に耳をかたむけない雰囲気

2.
ヘンだとわかっても、言える人がいない組織の雰囲気

がある場合が多いのです。

それは、もちろんロゴだけでなく、*全ての社内の他の決定も似たようなことになります。

(*上記はあくまでもわたしの一個人が考える一般論です)


で、そういう体質だと、いろんな決定が同じように行われる可能性が高いので、事故とか遅れとかに繋がるかもね〜、と(勝手に)思ったので、私は2003年から、ニューヨーク東京の往復を全てANAに変えました。それからNY便、一度もJALを使いませんでした。

「え〜そんなことで???」と思われるかもしれないですけど、私はいつも自分の選択はそんな風に。自分が感じたことをベースに決めているのです。


そんな感じで、ずっとANA派だった私ですが、ちょうど年末の頃でしょうか。ANAの、「金髪・付け鼻」コマーシャルを目にした時に、あの2003年時のJALロゴ見たのと全く同じ気持ちになりました。

「ないな〜〜〜〜〜」って(笑)

このCMをすぐに止められない経営陣がいる今のANAに乗るのは、どうなの?。。。と。
たかが、CMで、おおげさかと思われるかもしれないのですけど。苦笑

こういうの見ると、あぁ、本当にわかってる人がいても、言えない体質なのだなぁ。止められないんだなぁ。と。そうすると、これ以外にも、いろんなところにほころびがでてるんじゃないかって感じました。

私は企業も人間みたいに、繊細なものだと思っています。
どこか些細な部分でも、傷ついている部分をなおせなければ、いつか全体が痛んでくる。

詳しく知りたい方はここ。冷泉彰彦さんがわかりやすく説明されています。→「金髪・付け鼻」はどうして差別になるのか



そして、ANAをずっとつかってきた私ですが、JALのロゴも原点回帰なんだけれども単なる戻るって感じではなくて、なかなか良い感じに再生されてるみたいだし、ってことで、乗る飛行機をJALに変えることにしました。

JAL LOGO 2011



最近、よく使うのは羽田ー北京。機体もいいし。デザインもサービスも気持ちいい。JAL再建した稲盛さんは、再建中いつもエコノミークラスに乗ってたみたいですね。JALはエコノミーの食事も美味しくなってる。アイスはハーゲンダッツだしw

羽田ー北京は、ビジネスクラスも、エコノミークラスも本当に心地いいです。


jal



ロゴ、うつくしいなぁ。。
そういうわけで。。。少しの間JALかな、と思ってます。

う〜ん。ANA、頑張れ。笑


  
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2014年05月19日

箱1個

頻繁に海外を行き来するようになりました。
そこで、必要なものを箱にいれて日本に置いておき、到着の日にホテルに直接送ってもらうようにしています。

それでよくわかったのですが……
自分に必要なものってそんなに沢山ないです。

5枚ぐらいの気に入ってる服と2足の靴
化粧水とクリーム
ランニングシューズ
マグカップ(ホテルのカップは小さいのでカフェオレがつくれないから)
本が数冊

たったそれだけ。

それで、充分。

ほんとうに自分に必要なものは、箱1個にはいるんだよね、って、思いました。


IMG_7875




  
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2014年05月06日

百聞は。。

北京はどんなもの食べてるの?、醤油には、毒がはいってんじゃないの? 

油は下水からこして作ってるんじゃないかって聞いたよ......


あのね〜〜苦笑
それって、中国人が日本に旅行に行ったら、殴られるの?
と聞いてくるのと同じレベルでしょがw

まぁ、イメージがわかない人も多いと思うので(苦笑)近所のレストランの写真撮ってきました。
考えてみたら、ニュースって悪い時しかないし。普段の生活ってなかなかみえてこないですよね。

まぁ、普通っていっても、私が住んでいるところは、富裕層が多い地区なのでこれが北京の普通じゃないよといえば普通じゃないです。でも少なくとも、別に外国人しかいないってわけではない。
そして今回写真にとったレストラン、90%ぐらいは中国人のお客さんだと思います。

beijing1


beijing2


beijing3


beijing4


beijing5


というわけで、レストラン、綺麗だし。もっと庶民的なとこもどんどん綺麗になってきてます。
昔はトイレとか悲惨でしたけれども。。笑

今は、決して、そんな悲惨な生活してるわけでない〜

百聞は一見にしかずなので、ここに来てみて。
やはりなんでも、自分の目でみるって大事なことだと思います。

別に北京のことに限らず、鵜呑みにせずに、なんでも自分の目でみること。現場に直接行くこと。

そうしたら、あぁ、メディアから受ける印象と違うなぁと、肌で感じることが沢山あると思います。そういう経験にもとづいたことを重ね、自分がこうだ、と思いこんでいることを、どんどん上書きしていく。
そういうのって、実は結構、楽しいことじゃないかな、と。

  
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2014年05月04日

仕事の醍醐味

昨年は観光庁のクリェイティブアドバイザーを観光庁長官から任命され怒濤の1年を過ごしました
アドバイザー続けて下さいというオファーは頂いたのですが、他の仕事も兼任で、もうやりきった感も(苦笑)ありましたし、また個別面白い案件あれば、プロジェクトベースでってことに。

あぁ、でも思い出すと観光庁、本当に楽しかったな。

フランス人映像ディレクターアレックスカーさんとつくったフランスで行われた動画投稿コンペ用。
これね、本当に二日の撮影で、全員ボランティアなんですよね。音楽も作曲家の江口 貴勅さん、他の仕事の〆切があるのに徹夜で音つくってくれた。

日本人に会いに来て。日本の観光で一番素敵なのは、日本人に出会うことだよ。ってコンセプト。笑これは、え???建物でも食でも文化遺産でもなく、人? って、世界の観光業界の中では結構評価されたんですよ。

ある事情で、急遽必要になったビデオ。極寒の中たった二日の撮影。編集二日でつくった。アレックスさんがよく私の無茶振りを受け止めてくれた。としみじみ思う。。



私は、おばあちゃんになってリタイアしたら、昔一緒に仕事したことのある人たちが、「よーこさん、きたよ〜」って、家に嬉しそうに尋ねてきてくれる。
そんな感じを理想のイメージして、仕事してるの。

仕事すると、たいがいは、うまくいかないでしょう?笑
うまくいかない時に一緒にいて、「どうしよう」というのは、その時に一緒にいた人達どうしでないと解決、構築できない。そういう緊迫した状態で、それを皆で知恵絞って解決する時にできる人との信頼関係が、仕事の醍醐味で。

私ね、プロジェクトはどんなにマジメで大きなことでも、「大人の文化祭ぐらい」と思ってる。だから、ぶつかっても、滞っても、どこか楽しいし面白がってる。

全ては、そのあとに残る人間関係、それが財産だと思ってるんだよね。
  
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2014年05月02日

東洋経済の対談が地味でなくなった件

東洋経済オンライン佐々木編集長と私の世間話の中で決まった対談企画。

「世間は政治家って悪いことばかりしてるって思ってるんですよね〜」
「だって悪いことした時しかニュースにならないですしね」
「良いことをしている政治家をフューチャーしようとすると、メディアは政治的に偏っているって言われるし」
「でも、政治家が全員裏で悪いことしてるなんてイメージは良くないですよね」
「子どもが政治家にはなりたくないって言う国って、将来がない気がする。。苦笑」
「結局、政治家が大事なことを決めるのに」

みたいな話。

そこでふと、私思いついたの。
「じゃいい「政策」の話を聞いていくのどうかな?」

編集長が沈黙されたので
「でも、そんな地味な対談、地味すぎで誰も読まない、よね。。」と私が苦笑してると

「いや、意義があると思う。やりましょう!」
「え。。でもアクセス数が異常に低かったりして。。」
「いいんです。気にしないで下さい。これは大事なことだと思います」と。

そう言ってもらったものの、別に私が世間的に知名度があるわけでもなし、知名度がある政治家をインタビューしたいわけでもなく。。。たぶんそうとうに、それこそ地味〜な対談になると思っていました。


ところが、第一回目の総社市片岡市長との対談。(上)地味だけどいい政策を探しにいこう

片岡総社市長

政策の話を読んで初めて泣きましたという人が多数でてきて、それこそ口コミと拡散で(Facebookの「いいね」も数日で、8000越え)東洋経済オンラインでアクセスランキングが1位!(@@;になりました。

オバマ来日でニュースが盛りだくさんの時になのに、本当にびっくり。
地味でも良いエントリなら、ちゃんと読んでもらえる。ほんとうに衝撃的に嬉しかったです。

そして片岡市長からも、市へも、ものすごい反響や問い合わせが海外からもあるらしく「障害者の雇用に大いなるフォローウィンドが吹きはじめた実感が感じられます」とのお返事頂きました。
こういう風が全国に拡がるきっかけになるなら、本当に嬉しいです。
拡散して下さった皆さん、心から感謝です。

総社市片岡市長との対談。(下)も掲載されました。面白いので是非読んでみて下さいね!  
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2014年05月01日

日本の寄付文化の危機

政府は「租税特別措置法」全面見直し・廃止・縮小の方向性を打ち出しているそうです。それに伴い、政府が認定NPO法人の「寄付金」制度さらに、税額控除制度までも再検討が行われる可能性が出てきているそうです。

2011年の改正でやっとこの寄付税制が実現したのに。

今回、見直しの際に基準になるのが「どれだけ多くの会社や団体がまんべんなく活用しているか」だそうです。寄付税制の改正は、なされて2年しか経っていないので、まだ活用が始まったばかり。


私は米国に長年いたので、税制が業界に与えるインパクトを如実に見てきました。
これがつぶれたら、日本の寄付文化はしぼんでしまいます。
つまりNPO全体が衰退する危機的状況だと思います。


ひとりひとりができること。

自分の地元の国会議員さんに、「「租税特別措置法」全面見直し・廃止・縮小の方針がでたそうだけれども、認定NPO法人の「寄付金」制度は 縮小しないで欲しい」と電話かメールをして下さい。
むつかしいことを意見する必要はありません。
こういう動きがあるそうだけれども、それに反対する。で大丈夫です。

議員の地元地域から同じ問い合わせが多くあると何かしら動いてくれる可能性が大きいです。そして、それが大きな力になります。



私は、NPO業界は官庁や企業が補えないこまやかな部分を担っていると思います。

もっともっとこの業界で働ける人、生活できる人の数を増やす。それが大事なんです。
無償のボランティアじゃ生活できません。続けられません。善意だけに頼るには限界があります。お金は必要なんです。

だから、そこに寄付金の流れがいく税制は、拡張はあっても縮小は絶対にあってはならないと私は思っています。
そして、これは一度つぶれたら、将来、戻すことが非常に難しい制度です。

反対の人は、中央に一度お金を集めて、それをきちんとしているNPOに渡せばいいじゃないか、と言うのかもしれません。本当にそうなのでしょうか?

私達、ひとりひとり問題だと思うことは違います。日本は成熟社会で問題は多岐にわたっています。解決はそれぞれとても難しい。情報も運営もフレキシブルであればあるほど弱者に届きやすくなる。だからこそ、ひとりひとりが、それぞれ托したいと思ったNPOに寄付しやすい仕組み、そういうお金の流れをひろげていくことが、ものすごく大事なのではないかと思うのです。

どういう国のカタチにしたいか。ひとりひとりがこの将来の為に興味をもって意見を言う。
それは、とても大きな力になります。




参考イベント
5/9東京】緊急イベント「認定NPO制度があぶない!?」開催
政府は、4月、「租税特別措置法」の全面見直し・廃止・縮小の方向性を打ち出しました。
対象には、認定NPO法人の税制優遇措置が含まれ、認定NPO法人への税制優遇である 1)みなし寄付金 2)企業の特別寄付枠が見直されようとしています。さらに、税額控除制度までも、再検討が行われる可能性が出てきています。
今、認定NPO制度が危機に瀕しようとしています。
  
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