2003年、今から10年前、JALが新しいロゴを発表した日のこと。
良く覚えています。
私は、その頃、まだニューヨークにいました。
「気持ち悪い」本当に申し訳ないけど、このロゴを見た時に瞬間にそう思いました。
私は、もともとデザイナー。米国で、デザインの賞もいくつかもらっています。デザインのプロとしての目から見て、「どうして、こんなことになっちゃったんだろう」というのが正直な感想。
JALがそれまで使って来たロゴはこれ↓
どう見てもこの元のロゴの方がいい。新しいロゴは居心地が悪いぐらいに、バランスも色もカタチも全てが。。。う〜ん、なのでした。
なので、2003年、私は、多くのNYの人達に、
「JALロゴの改変がねぇ。。駄目すぎで、JALあんなんじゃ、つぶれちゃうかも」と言ってました。
それを聞いた皆さんは、笑いながら、「よーこさん、ロゴぐらいで大げさだなぁ、(笑)」って反応でした。
だから、JALが2010年に、経営再建を図ることとなった時に、NY時代にそれを聞いていた人達から、相当に驚かれました。「よ〜こさん、内部事情知ってたの?」(@@;と。
いえ、全然知りません。もちろん。苦笑
でも、ブランドとしてのロゴが、ここまでひどくなる場合は、視覚とかデザインの問題ではなく、経営体質の問題があるかもと当時は思ったのも事実です。
一般論ですが、デザインが相当に違和感ある仕上がりになる場合、だいたい大きくわけで以下のような問題があることが多いです。
経営側が、素人であるに関わらず、色々勝手なことを言って変えさせる。
そして、プロであるディレクターやデザイナーが不本意にも、言う事を聞かなければならなかった。
OR
ヘンなのに、皆違うとわかっていても、途中で止めることができる人がいない。
一般的に、そのあたりが主な原因です。
つまり、そういうことが起きる時には
1.
専門職(プロ)からの助言に耳をかたむけない雰囲気
2.
ヘンだとわかっても、言える人がいない組織の雰囲気
がある場合が多いのです。
それは、もちろんロゴだけでなく、*全ての社内の他の決定も似たようなことになります。
(*上記はあくまでもわたしの一個人が考える一般論です)
で、そういう体質だと、いろんな決定が同じように行われる可能性が高いので、事故とか遅れとかに繋がるかもね〜、と(勝手に)思ったので、私は2003年から、ニューヨーク東京の往復を全てANAに変えました。それからNY便、一度もJALを使いませんでした。
「え〜そんなことで???」と思われるかもしれないですけど、私はいつも自分の選択はそんな風に。自分が感じたことをベースに決めているのです。
そんな感じで、ずっとANA派だった私ですが、ちょうど年末の頃でしょうか。ANAの、「金髪・付け鼻」コマーシャルを目にした時に、あの2003年時のJALロゴ見たのと全く同じ気持ちになりました。
「ないな〜〜〜〜〜」って
(笑)
このCMをすぐに止められない経営陣がいる今のANAに乗るのは、どうなの?。。。と。
たかが、CMで、おおげさかと思われるかもしれないのですけど。苦笑
こういうの見ると、あぁ、本当にわかってる人がいても、言えない体質なのだなぁ。止められないんだなぁ。と。そうすると、これ以外にも、いろんなところにほころびがでてるんじゃないかって感じました。
私は企業も人間みたいに、繊細なものだと思っています。
どこか些細な部分でも、傷ついている部分をなおせなければ、いつか全体が痛んでくる。
詳しく知りたい方はここ。冷泉彰彦さんがわかりやすく説明されています。→「金髪・付け鼻」はどうして差別になるのか
そして、ANAをずっとつかってきた私ですが、JALのロゴも原点回帰なんだけれども単なる戻るって感じではなくて、なかなか良い感じに再生されてるみたいだし、ってことで、乗る飛行機をJALに変えることにしました。
最近、よく使うのは羽田ー北京。機体もいいし。デザインもサービスも気持ちいい。JAL再建した稲盛さんは、再建中いつもエコノミークラスに乗ってたみたいですね。JALはエコノミーの食事も美味しくなってる。アイスはハーゲンダッツだしw
羽田ー北京は、ビジネスクラスも、エコノミークラスも本当に心地いいです。
ロゴ、うつくしいなぁ。。
そういうわけで。。。少しの間JALかな、と思ってます。
う〜ん。ANA、頑張れ。笑