2016年10月23日

完璧よりも美しい

編集を担当してくれた米田さんから連絡。
「結婚のずっと前、14版が決まりました!また増刷です。」
この本、5年前に出版したのですが、久しぶりに表紙見てたら、当時のこと思い出しました。

この表紙の花なのですが、近所の花屋さんに「枯れた花が欲しいんですけど〜」って買いに行き
「これ売り物にならないから差し上げますよ」ってもらったものなのです。

薔薇にこだわってたわけではなく、その日枯れかけてる花がたまたま薔薇だっただけ。(苦笑)

山のように頂いた枯れた花を選びながら家の床に並べて、写真家の野寺さんに撮ってもらいました。「女性誌とかたくさん撮ってるけど、洋子さんの使う色って大胆で、日本人ぽくないね」と指摘されたの覚えています。

表紙を開いて裏を見てもらったらわかるのだけど、花びらに穴が開いてたりするのもある。シワが寄ったり、形が崩れてたりしています。

「完璧でなくても美しい」っていうのが、意図でした。




だけど、ほんと、人との関係は、好きであればあるほど情けないほど完璧からほど遠〜い感じで、もがいてるって気がしません? 失敗したり、間違えたり、まわり道したり。

でもその(もがく感じ)って、実は(完璧な状態)より人生、美しいんじゃないかって。

だから、5年たった今、「完璧でなくても美しい」じゃなくて、なんだかなんでもパーフェクトじゃない方が(完璧よりも美しい)と、そんな感じで色々考えてました。

この本、大事に思ってくれてる人がたくさんいるの、嬉しいです。
ありがとうございます。


結婚のずっと前 [ 坂之上洋子 ]
結婚のずっと前 [ 坂之上洋子 ]






  

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2016年10月18日

黒石写真コンの「波風を立てない方がいい」について

内定一転 最高賞取り消し/黒石写真コンテスト、被写体に自殺中学生
このニュースを見た時に、私、条件反射のように反応してしまいました。
「波風を立てない方がいい」ってなんなの。と。

撮影した人は被写体を全く知らず、最高賞になった後に分かったこと。
生きていた時の娘の写真が最高賞に選ばれたことをみんなで喜んだ家族。それなのに賞取り消しの知らせ。

家族は突き落とされた気がしただろうと安易に推測できます。それは、まるで、もう一度いじめに遭っているような。失礼すぎる。親の気持ちを考えるとやるせない気持ちになりました。

そうい親「個人」の痛みを優先せずに、「村」「社会」?を乱さないことを優先する風潮が嫌だ。そんな感じがこの記事からして身震いし、思わずSNSに、投稿しました。「これなんなの?」と。

でも、なぜか私はこの記事のことが頭から離れず、夜遅くまで考え込んでしまいました。

石黒市は3万人少しぐらいしかいない地域のようです。そういう中で、中学生が自殺する。きっと地域で、かなり大きな事件です。

近所でも学校でも職場でも、それこそ、あることないこと全て語り尽くされているでしょう。

そういう中で、自殺した女の子の近くにいた同級生たちの何人かは
「どうしてあの時に、自分は一言、声をかけられなかったんだろう」「自分はどうしていじめている子にやめようと言えなかったんだろう」いう罪悪感でさいなまされているかも知れません。

いじめの言葉を発した子に至っては、きっと一生忘れることができない何かを背負ってしまっていると思います。そんなつもりはなかった、とか、あなたは悪くないと言われても、自分たちの言葉で人を死なせてしまった事実は消えません。


どう気丈に振る舞っていても、11歳、12歳、13歳。。。です。


私は、祖母が自殺しているので、自殺した人がいる家族の気持ちが痛いほどわかります。その悲しみは世代を超えて伝わります。

同時に、自殺の原因になった可能性があると思われている人が、人生が狂うほど、きつい思いをするのもわかります。。裁判で裁かれないかもしれないけれども、罪は消えない。制裁はもう受けていると思う。そしてこれからも受け続けるのだと思う。

その写真は、撮影者の男性は生徒と面識はなく、偶然8月15日に撮影。生徒は同25日に亡くなったそうです。写真も亡くなる前に応募したんだそうです。そしてそれが最高賞。まるでドラマのような奇跡のような偶然です。

それが奇跡であるほど、もう一度街の大きなイベントの最高賞という形で、騒ぎになると、なぜ死んでしまったの?なぜ止められなかった?と先生や学生、周りの人たちも、精神的に追い詰められてしまうかもしれない。


私自身も反射的に、取り消しは変でしょうと思ったからこそ、伝えたかったのです。

自殺した人は苦しい。そして残った家族はもっと苦しいです。そして同時にまわりにいた人も苦しいんです。そして最後の苦しみは、限りなく見えにくい。

だから今回の判断、考えれば考えるほど私にはわからなくなりました。

(追記*市の記者会見見ました。なんだか色々ため息でますね。。)

ただ、それでも、私はまるで審判員のように正義を振りかざしSNSで、波風を立ててはいけなかったんだと思う。

反射神経で何かを言うことは、いじめをする子と同じだと思った。
短くても言葉は暴力になるから。


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Posted by tentenwang at 09:22Comments(1)TrackBack(0)

2016年10月13日

イベントのお誘い!世界ポリオデー・アート・フォーラム

毎年10月24日の「世界ポリオデー」を記念して「世界ポリオデー・アート・フォーラム 2016」を開催。

アートとファンドレイジングについて。ソニー・デジタルエンタテインメントの福田社長と私の対談予定です。アットホームにやろうとの企画でレセプションもあるので和やかな感じになるんじゃないかなぁと思います。

また水墨画家 土屋秋恆氏によるワクチン即興水墨画作品生制作!福山雅治さんのアサヒビールCMや安室奈美恵さんのPVなんかもやってた大人気墨絵師が目の前で書いてくれるですよ〜。
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【世界ポリオデー・アート・フォーラム 2016】
◇日時:2016年10月25日(火)19:00〜21:00
◇会場:アンカースター株式会社ラウンジ
(東京都港区西新橋2-21-2 第一南桜ビル6階)
◇主催:一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ(JIGH)
◇協力:ビル&メリンダ・ゲイツ財団
世界の子どもたちのためにポリオ根絶を目指す議員連盟
日本リザルツ
◇言語:進行は日本語です
◇イベントプログラム:
・福田淳氏と坂之上洋子によるトークセッション
“アートとワクチンの力、ファンドレイジングの歴史”
・水墨画家 土屋秋恆氏によるワクチン即興水墨画作品制作
・レセプション

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まぁ、なんか私が出るとゆるく(誰でもわかりやすい話にw)なるのはみなさんご存知の通り。
実はソニー・デジタルエンタテインメントの福田社長は私よりも輪をかけてゆるいので、楽しい会になるかと思います。気軽にいらしてください。

本にもサインするので遠慮なく声かけてね。

◇ 参加申込:こちらのフォームに必要事項をご記入の上、お申し込みください。(申し込み人数が多い場合は抽選になります)




  
Posted by tentenwang at 13:07Comments(0)TrackBack(0)

2016年10月05日

ゲイやレズビアンの人たちの苦しみ

NYで建築の仕事をしていた頃、同僚にレンというゲイのデザイナーがいました。レンはハンサムで身体も鍛え上げていたので、超かっこいい。

ある時に2人で残業してたレンに、私つい「ねー、女じゃだめなの?」って聞いてしまった事がありました。

その時にいつも明るい彼が一瞬とても苦しそうな顔をしたのです。
それから、ぽつり、ぽつりとこんな話をしてくれました。

僕は南部出身でしょう?子どもの時から男らしく見えるように努力してたんだ。
ティーンエイジャーの時、ゲイじゃないかと言われてね、違うと言わなかった事が原因で袋叩きになってね。気持ち悪いと殴られたんだ。彼らの仲間の誰かをを好きなわけでもないのにさ。

20歳で、親に正直にゲイだと言ったらさ、母親からやめてくれと泣かれてね。

好きな相手が同性だった。それだけで、まるで犯罪者かというような目で見られてきたんだ。ニューヨークに来るまで地獄だった。

「ゲイってことやめれるなら、俺が一番最初にやめてる」

15年くらい前の出来事です。でも本当にその時のこと鮮明に覚えてます。
レンがじっと床見てて。私も彼の悲しみを共有しました。友情が深まった瞬間でもあったんだと思います。

人を好きになる。その自由で尊重されるべきことで苦しんできた人がいる。そういう苦しみを、ゲイの人に差別はなかったつもりだったけどやっぱり全然わかってなかったんだな、とその時、心から反省しました。

レンは長年連れ添った人今も幸せに暮らしています。


日本にも(最低限の)LGBT法案を通したい、とゲイの友人からお願いされて、私も賛同して発起人になりました。今、理解されず反対されてる人も多くいるのが実情です。法案も通るか通らないかぎりぎりのところだそうです。

一人でも多くの署名があれば、法案ができること、後押しされると思います。

LGBT

世界に誇れる日本へ!LGBTへの差別をなくして、「ありのままの自分」で生きやすい社会を実現する、法律をつくってほしい!

苦しんで自殺するような人がもう出ませんように。
  
Posted by tentenwang at 19:37Comments(2)