ずっと、働いている。
どんな辛い時もやめる気がしない。
色々あるけど、「あぁ、仕事してて良かったなぁ」としみじみ思う瞬間があるから。
仕事は、なんだか学生の時の文化祭に似ている気がする。
時間内に最高のものを作り上げるために人と協力して努力して頑張るところ。そこで、うまくいかないことや、失敗を乗り越えて、友人ができる。
人は大人になると、新しい友人関係がを作る機会が極端に少なくなる気がする。私の性格が内向的だからかもしれないけど。特に、自分と違う、タイプの人と友人になることは何かの作業がなければ、なかなか叶わないなぁ、と思っている。
でも、仕事だと、意見を戦わせたり、うまくいかなかったり。何かしらの困難な壁が現れるので、相手とコミュニケーションをとらざるをえないし、そこで素顔が見えかくれしやすい。
先日、自分とは、気があわない印象と思った人と(色々あり)仕事をすることになった。(笑)
お互い知らない同士なので、探りながら話をする。
かなり時間が経ってから、ある時に、ふと私たちは、好きな本が同じだということがわかった。
オノヨーコのグレープフルーツ・ジュース。
グレープフルーツ・ジュース [ オノ・ヨーコ ]
すごく驚いた。
それは、私の中で、彼がこういう本を好きであるという印象がなかったからなのだけれども。
人はやはり時間をかけないと、奥底にあるものは、わからない。
「よ〜こさん、燃やした?」
「え?」
「この本を燃やしなさい、読み終えたら、って最後に書いてあるでしょ?」
「燃やしてないよ」
「ダメだよ。燃やさなきゃ」
それから、なんだか、打ち解けた。
グレープフルーツ・ジュース理解できるなら、ここまで話してもよいだろう。とお互いわかったのだと思う。深い話も、するようになった。プロジェクトもうまく進んでる。
友人になってないだろう、と思う人と、信頼関係ができた時は、ことさら幸せだと思う。それはつまりは、自分が決めていた枠を広げてもらったわけだから、ありがたいと思う。
今まで、働いていて、こういうことが何度もあった。その度に尊重しあえる人が増える。
仕事に求めているものは、肩書きでも、キラキラした賞や賞賛とか残る成果物でもなくて。例えば、昔プロジェクトした人と、あの時、めちゃくちゃだったよね〜、と言いながら、そうだそうだ、と笑いあえる時間とかが、何よりの働く醍醐味だと思ってる。
一番楽しいのがそこだと決めているから、問題が起きても、壁があっても大丈夫。
そんな、履歴書にも残らないことを、一番大事にしてる。