感想を書きたいとずっと思いながら、うまく気持ちが書けなかった本について。
実際に望月郁江さん自身起こったことを、娘の望月泉さんが文章にしたもの。
本当におこったこと。
たった70年前と思うと愕然とする。
戦争が終わり、母や妹を亡くし、当時10歳だった少女が、6歳の弟とふたりだけで、満州から日本に帰る壮絶な話。
でも、戦争前の写真をみると、みんなおしゃれして楽しそうです。まさか後に、悲惨な戦争がはじまるとはとても思えない。
どの国にしても、報道によって、世論っていくらでも相手の国のイメージを変えられます。
全ては、本当のことかもしれない。
でも、その悪いところだけをたくさん集めると(意図的でも意図的でなくても)イメージは悪くなる。
こんな悪いことをした。信じられない。悪い奴らだ。そんなことできるなんて頭がおかしい。そういう刷り込みがされ、大衆が怒る。
そこに、権力を持つ政治家が、相手の国に憤り、勃発的な何かがおこり、戦争になる。
歴史は、いつもだいたいいつも同じ繰り返し。
でも決断する権力者は、大概前線にはいかない。
死んだり、傷つけられたり、戦わされるのは、何も決断もしていないたまたまそこに住む一般の人たち。子どもたち。
どの国にいても同じ。
たまたまその国に生まれただけで、権力者がどんなにひどくても、なんの罪のない子どもまでも殺しても死んでも、
「しかたがない」そう皆がうつむいて、言ってしまうのが戦争だと思う。
だから、私たちは、大衆の一人として、そういう刷り込みにのって、(感情を暴走させる)ことに、敏感でいなくてはいけないと思う。
敏感な人が増えれば、それが力になる。必ず。
お母ちゃんとの約束 いっちゃんとキヨシちゃんが歩いた、満州五五〇キロ [ 望月泉 ]