娘の添い寝をしている時に、急に死んだ母のことを想い出しました。
『ママもママのおかあさんに会いたいなぁ』
私は、ふと隣で寝ている娘にそう言ってしまいました。
『あえるよ』
何でもないことのように、5歳の娘がすぐにそう答えました。
あぁ、わかってないなぁ、私は心の中で溜息をつきました。彼女はもう5歳。自分の母方のおばあちゃんはいないことを言っておかなければなぁ。。
『会えないよ、だってママのお母さんは死んじゃったんだもん』
私がそう言うと、娘は、こちらに寝返りをうって私の顔をのぞきこむようにして黒い目でまっすぐに私を見ます。
『こんど、ママのおかーさんのおはかにいこう? おかやまにあるでしょう?』
ちょっとびっくりしました。娘をお墓参りに連れていったことがありますが、そんなこと覚えていないと思っていました。
何も言えずにいる私に、娘が静かに言いました。
『こんどそこにいこーね』
そしてゆったりとした口調でつけ足しました。
『おはかにいけば、きっとママ、ママのおかーさんにあえるよ』
急に鼻の奥のほうが、ツーンとして涙がでそうになりました。
『そうだね、きっと会えるね』