私たちが泊まる北京の5つ星ホテルの道路はさんだ、脇細道に親子が寝ていた。
乞食ではない。村からの労働者だ。
昼38度を超す、蒸し暑さは夜になっても変わらず、そのたぶん父であろう男の人が息子の背中をトントンとさすりながら寝ていた。
7歳か8歳。子供の腕の細さが痛々しかった。
どうしたらいいんだろう、どうしたらいいんだろう、私はパニックに陥ってしまった。娘の手を握りしめて歩いた。
その後、部屋に戻ってアイスクリームが食べたいという娘にあたった。
あなたは何にもわかっていない、と。
自分が何もできずにいることを5歳の子にあたってもしかたがないのに。。
ホテルの贅沢な部屋の中で、そのぎこちない違和感と無力感とで、ベットの中で涙が止まらなかった。
どんなことがあろうと子供が、道で寝るようなことがあってはいけない。
背中をさする父親の愛と私が娘を愛する気持ちとどのくらいの差があるというのか。
どうしようもない格差は、本人の努力だけでは埋まらない。
夜中にPCを開けると、西水美恵子さんからのメールがあった。
先日読んだ本でいろいろと考えさせられた、国をつくるという仕事、の著者である。
日本人で女性で世界銀行の副総裁であった人。そして世界の貧困に真っ向から挑んだ人。
国をつくるという仕事
著者:西水 美恵子
販売元:英治出版
発売日:2009-04-07
おすすめ度:
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はじめまして、で始まるメールに目を疑った。
私がブログに本のことを書いたことに対するお礼が書いてあった。
西水さんもNewsweekの世界が認めた日本女性100人の中に選ばれていて、ご縁を感じて下さったようだが、私と彼女の場合とではやったことの功績が違いすぎる。。
メールの最後にこう書いてあった。
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貧困に関しての「罪悪感」のことを書かれましたが、とても貴重な感情ですので、大切になさってください。貧困は、日本にもご主人の母国中国にもあります。放っておけばいつか必ず国家に何らかの不安定と危機をもたらします。寄附やスポンサーをすることを、絶対軽く見ないでください。It is not what you do, but how you think about what you do, that changes the world.
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たまたま同じことに悩んでいたその日に来たメールだったので
言葉がまるで降って下りてくるように、体の中にズシンと落ちた。
特に英語の部分が深い。
It is not what you do, but how you think about what you do, that changes the world.
ありがたかったです。