8月1日号のビッグイシューに映像作家の丹下紘希さんのインタビューがあった。
心あたる部分が多かったので引用させてもらう。
省略
あえて僕のターニングポイントを選ぶなら 911同時多発テロ後に日本がイラク戦争に 参戦 したことだと思います。
あの瞬間から日本人である僕は、大勢の人を殺す側の人間になってしまった。
イラク戦争は石油資源をめぐる戦いであり、大量生産、大量消費を是とする資本主義経済の欲望から生まれた戦争であったといえるでしょう。
映像ディレクターとして消費をあおってきた僕は、ある意味戦争に加担している。そう思ったらやりきれない気持ちになったんです。
省略
ともすると僕たちは盲従的に横断歩道を渡ってしまう。
でもそこには見えない危険が迫っているかもしれない。メディアの言っていることを鵜呑みにしてはいけない。ニュースは正しいことばかり伝えているとは限らない。
自分の心でしっかり判断しなくては危ないんです。
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私のターニングポイントは、丹下さんのターニングポイントと時期も近い。私はその時期NYに住んでいました。
テレビで米国議会が、ブッシュ大統領に報復戦争への“必要で適切なあらゆる軍事力”行使の権限をあたえる決議を採択した時。
反対した議員は一人。
バーバラ・リー黒人の女性議員だけ。
彼女以外は民主党も共和党も全員賛成した。
そのことがあるまで、私は日本よりは米国の方が違う意見を尊重しあう文化があると思いこんでいたのです。
ショックだった。
ほぼ全員一致で戦争に突入していく。その勢いに足が震えたことを良く覚えています。
心底悲しかった。
そして、その後、米国はもっと怖くなる。
ナニカ、オカシイ?と思う、発言する人間は非国民のような扱いをうけるようになった。( Bill Maherのポリティカルインコレクトというショーなどが放送中止になった)
そして兵士にが毎日殺されていく。そして毎日のように、ローカルテレビでは地元で殺された若い兵士をヒーローと呼び訃報を流し続ける。
馬鹿げてる、と思った。
そしてヒーローの向こう側でアフガニスタンやイラクの無実の市民が沢山死んでいることは報道されない。
なんだか変だ。そう思った米国人も多くいて。(その声が主流になりオバマ政権が生まれたわけですが。。)
そのころ、日本が国際貢献のためには、兵士の派遣が必要、お金だけだしてちゃ国際貢献にならない。国際社会にバカにされる。そうマスコミが訴えはじめて。。
私はただ啞然とした。
米国のまともな論文やニュース筋の話を読んでないのか?
大新聞の論説委員でさえ、米国のCNNとFOXぐらいしか見てないんじゃないか というレベルの話を繰り返していた。
どうして加害者でもあり、被害者でもあり、広島、長崎、沖縄、苦しんで、苦しんだ経験をもつ国である日本が自信をもって、世界に平和に向けて叫んでいこう、という自分独自の外交の道を歩めないのか、私にはわからない。
私は、これから日本に何が起きるかわからないと思っている。
マスコミが国民に恐怖を植え付けるのは、簡単だ。
自衛をしなければ、こちらがやられる。
だから戦う。
群衆にそう思わせることがどんなに簡単か、私は肌で知っている。
本当に?
本当にそう?
丹下さんの言葉を繰り返す。
メディアの言っていることを鵜呑みにしてはいけない。ニュースは正しいことばかり伝えているとは限らない。