米国でも、現代アート美術で仕事をしている評論家の友人リチャードとカンカンガクガク大議論をかわした想いでが。。世界中いろんな美術館をめぐり、多くの講義を受けてきたけど、それでも私、現代アート美術館に入ってる80パーセントはゴミだと思う。。

それが何億円しようとも関係ない。
ゴミはゴミだ〜。
でも、そんな現代アートが大嫌いな私でも時々、天才?と思ってしまう人に出会ってしまう。
その一人は、岩田恵治氏
たぶんまだ、まったく知られていない。
偶然数年前に山川屋さんという漆器屋さんの奥で見た絵が気になってしかたがなかった。
そのことは2年前にブログで書いた
それから、ふとしたきっかけで、ソニーデジタルエンタメの福田社長に、この人よくない?と絵を紹介したら、ものすごく興奮されて、その勢いで岩田さんに会いに行くことになったのです。

名古屋までw
はじめて会う岩田さんはとても落ち着いた感じの方。
彼は日本で最後の仏具撥屋が本業。見せて頂いたアトリエでの印象はもともと西洋画家を目指していたフランスでの経験が生きているな、という感じ。西洋の常識と決別。違う道を進むと決めた、という意味でね。
漆絵ももちろんいいのだけれどもなによりも驚いたのは、そこで出会った彼の頭の中の(アート)だ。
インターネットで安いプラスチック仏像や百円ショップで(ありがたくない)仏像を買う。
それに上から絵を描いて百年以上寺で使われた撥を中に入れる。
撥は本物だ。
撥は叩くことでそこに心に現れたものがでてくると言われている。
修行僧が修行しながら、葛藤しながら、何十年何十年も叩き続けた撥。
それが百円ショップの仏像の顔に入った時、それははたして命をともすのか。

私たちは、寺の仏像を拝む。
その仏像とこの百円ショップやインテーネットで買ったプラスティックの仏像に命がともった時に、果たしてとどちらに価値があるのか。
考えてみれば、価値とは何なのか?
価値はどこから生まれるのか?
歴史があるから、ありがたいのか?
本物とは何か?
仏像を見ていたら、突然話しかけられたような気がした。
ほら、君は何が正しいのか本当に知っているのかい?
何に価値を置くのか、その基準がわかっているのかい?
美術館にあれば価値があるのかい?
知名度があればすごいことなのかい?
値札がついていればそれと同じ価値があるのかい?
美しさが唯一の価値なのかい?
問いかけが部屋中にぬるぬると漂っていた
重みのない軽いマテリアルでつくられた仏像からの、皮肉な問いかけに足をすくわれている。
もうひとつの作品
この意味は解説しない
3連のつらなり
別の問いかけが腕に心に絡んでくる


フランスの美術館などで展示すべき作品だと思いました。世に出したい。