米国で住んでいた時に、人生をゆたかにしてくれた言葉にたくさん出会いました。
その中のひとつ。
今でも自分の生活に根付いている言葉があります。
ある日に、運転していたら偶然引っ越しセールがあり、見に行きました。
そこで、たまたま私の好きな柄の食器セット(10セット)がありました。
素敵だな、どうしようかなって思っていたところ
上品そうな老婦がきて
『この食器のセット、ひとつも欠けてないのよ
大事に大事にしてきて、サンクスギビングとクリスマスの時にしか使ってないし』
と説明してくれました。
でも、高いかも、と私が値切ろうとすると(・◇・)ゞ
『この食器好き?』
と白髪の老婦は私の目を覗き込むようにして聞きました。
私がうなづくと
『ひとつだけ約束してくれたら、安くしてあげるわ』
『何をでしょう?』
『日常づかいで、使ってくれない?』
え? 私は彼女を見返しました。
『なんだかね、もったいないって思って。。。こんな大事にして。でも年取っちゃって、子どもが巣立ってね、今度引っ越しする家は小さいのでこんなセット置くスペースないし、そしたら、私なんで好きなもの毎日使って楽しまなかったんだろ、と思ってね。毎日楽しめばよかったって今は思うの。だからあなたが毎日楽しんでくれたら、嬉しいわ』
あれから、10年。もうかけたり、割れたり、シルバーの部分が色落ちしていたりしてるけど、普段に、無造作に使ったことでの愛着があります。
そしてそれから、私、たぶん自分の買い物の仕方が変わったのです。
毎日使うものが大事なんだ。
毎日に気を使って、本当に自分が、普段に、あぁ、ちょこっと幸せって思えるものを買おうって(意識する)ようになりました。
逆に使う機会が少ない例えば、贅沢な服やバック宝石は買わない。(もともとそんな感じだったけど、これがキッカケでもっとそうなった)
タオル、スプーン、塩、毎日つかうもの、こだわる。
だけど壊れたら、それでいい。こだわるけど執着しないで、するっと使う。
あのたった一度きり、偶然会った老婦に教えてもらった人生のゆたかに過ごすコツ。
感謝してます。