最近つくづく思うのだけど、日本ではブランディングの経営戦略を立てる人が少なすぎる。
戦略をたてるというのは、「全体を見渡す」ってことだ。
たとえば、ロゴを変えるとか、自社ビルを建築する、とか サイトのデザインを良くする、とか
そういうのもブランディングなのだけれど、そういうのは実はまったくもって最後の方の仕事なのだ。
企業だったら、その企業だけでなく(ましてはその企業のひとつのプロジェクトだけでなく)その企業の立ち位置を社会全体の中でみるっていうのが一番重要なのだ。
もうひとつの重要な仕事は、それを企業の中の人が「やる気」になるように内部の戦略を組み立てることだ。ブランドブックや、社員が誰も覚えていないミッションステートメントを作る前に。
全体が見えないと、見える化などできるはずがない。
経営者と同じ視点で全体を見渡す力をもち
そして、社長に「これは直さないといけない」「ここが違う」と直談判できるブランディングのプロが、日本には圧倒的に少ないのではないか、と思う。
デザイナーはデザインのプロだけれど、何を生み出せばよいのか、明確にわかるはずがない。
しかしまだ多くの社長は、単にデザイナーに頼めば「かっこ良く」なると思っている。
生み出さなくてはいけないのは、もっと別の大きな価値のはずだ。
日本の政治をみても、企業をみても大学をみても、同じ。もったいない。
「全体を見渡せ!」そしてちゃんと伝えさえすればどんなに世の中は良くなるかって、時々もどかしく思う。