観光庁で初代クリエイティブアドバイザーになったの発端は、私がTwitterで嵐のニャービデオに
「これはないだろう。。。」と批判をしたことからでした。
それが世間で拡散されて、それを知った当時の担当官僚の方が私のところに来ました。(それにしてもまじ批判拡散をしてる人のとこに訪ねて来るんだから、この官僚もある意味大物ですよね 苦笑)
その官僚の方は結局すぐに観光庁から国土交通省に移動になり、しかし新しい担当の方を紹介され、なんとなく電話とかメールとかでずっとアドバイスを続けていました。
ある日、その方から、電話があり
「よ〜こさん、今官邸でもめてるんですけど。。。」
「もめてるって何?」
「震災の1年後の海外にむけてのメッセージコピーが。。。。決まらないんです」
どんな内容なのか、色々と聞くと、カッコいいけど、むつかしそうな英文コピーに、大臣の方々も、う〜〜〜ん、と悩んでいるという話でした。
「そっか〜。でも世界中の人に伝えたいなら、英語が第一言語じゃない国も多いし、もっとわかりやすくないといけないんじゃないかな?簡単に。」
と言う私に
「そんな都合の良いコピーありませんっ!」
と頭を抱えている様子
「え、もう一度聞くよ、今回観光庁は、何が言いたいの?」
「世界中の方々からの震災へのはげましに感謝の意を表したいのです。それを一言で表したいのです。」
「ん〜じゃThank you とか?」
そしてそのまま、官邸の会議で、Thank you が承認されました。苦笑
そして、コピーつくった責任とれと言われ、作成したポスターがこれ
登龍門(とうりゅうもん)ということわざがあります。この言葉は、成功へ至るために乗り越えなければならない難しい関門のことを表しています。「鯉の滝登り」ともいわれ、鯉幟(こいのぼり)という日本にも残る風習の元にもなっています。
流れの急な龍門という河を登りきった鯉は龍になるという伝説になぞらえて、辰年を迎えた2012年、復興に向け登りきろうという心、そして海外の皆様のご支援への感謝を表したポスターです。
(総合監修:坂之上洋子、グラフィックデザイン:生駒浩平、アート:木村英輝)
このキャンペーンは、数ヶ月だったのですが、その後も観光地、ホテル多くの場所でポスターを自主的にずっと貼り続けてくれたところが多かったそうです。ザガットの裏表紙にもなりました。
英紙・ガーディアン「Travel Awards 2012」では、日本が「長距離国別部門」(Favorite long-haul country)の第1位になりました。その受賞理由は、「長距離国別部門」(日本語訳)我々は日本がこの部門の2年目の受賞を受けたことを喜ばしく思う。日本は、地震と津波の結果、2011年は前の年に比べて28%の訪問者数の減少を記録した。しかし、悲観的な予測にも関わらず、2012年1月までに訪問者数は前年比でわずか4%の減少となり、驚異的な回復を記録した。これは多くの部分、観光庁によるプロモーションと「Japan.Thank You.」キャンペーンによる再来訪促進の弛まぬ努力のおかげである。
観光庁の皆さん、はじめその他、日本への旅行促進をすすめた関係者の皆さん全員が一生懸命取り組んできたことへの評価であり、これは口出ししたひとりとして素直に嬉しかったです。
そんなご縁で観光庁の初代クリエイティブアドバイザーを井手観光長官から任命してもらいました。
そこからが怒濤のアドバイスというか、取っ組み合いというか。。
そこまで本気でやらんでいいやろ、と夜中、自分で自分につっこんでしまうくらい仕事しました。
日本の写真コンテスト
この一見どうでも良いような企画 Σ( ̄ロ ̄|||)
まぁ、大変だった。
facebookは、中国で使えないんだよっ。から始まって、デザイナーをわたしの家に9時間、拉致状態にした。。。
世界中の外国人に日本の Cool! Delicious! Happy! Beautiful! Funny! Miracle!の写真を投稿してもらうというシンプルな企画。優秀賞に電化製品ってどうよ?っていちゃもんをつけ、もっともっと笑える面白い賞をつけろとアドバイスし。。。。
途中どうなることか心配だったけど、まぁ、最終的には
Facebookで22万5千以上のいいね
を押してもらったみたいですね。
それを聞いた時は奇跡がおこったのかと思いました 笑
そして、霞ヶ関で、かつてこんなに外国人が好き勝手に言い放題したことがあるのか? というケンケンガクガク有識者会議っていうのも。。。ありましたね。
ニューズウィークで『観光庁のPRサイトは日本の恥』と言いきってた(((( ;゚д゚)))レジス・アルノーさんまで呼んでる。笑 ほんと観光庁の担当官僚の皆さんがある意味もの凄い迫力でがんばってるのがわかると思います。 アルノーさん批判じゃなくて愛してるんですよ。日本を。
で、他国の方々の意見の結果、日本の一番の観光資産は富士山芸者桜よりも、「日本人」なのだという結果になりました。
現在続いているのは、フランスの動画投稿で有名な海外の企業が中心になり、日本の動画のコンペ。
その、例として作った動画、「二日間遊びにきた外国人カップルが経験した東京」
二日の怒濤の撮影に全部つきあいました。
フランス人監督アレックスカーさんにより、日本人の素顔が美しい動画になっています。
3月末にアドバイザーとしての契約が終わるにあたって、アドバイスしてきたことを綴ったら、めちゃくちゃ長文になってしまいました。苦笑
とこうやって思い返すとなんだか涙がでそうです。
引き続き是非、観光庁のアドバイザー続けて下さいというオファーをありがたくも、頂いているのですが。。。
1年がもう、それはそれは濃すぎて。。。。自分もう一度同じことができるのか?
ちょっと思い悩んでいるところです。