2014年06月25日

渋谷健司、という人

東大医学部の渋谷健司教授が、福島の「甲状腺検査のやり方を見直してほしい」発言が話題になっています。

実は、私は、渋谷さんと4年近く一緒に仕事をしています。
なので彼の人柄を良く知るひとりとして、少しだけ補足したいと思います。

渋谷さんは、震災後、すぐに東北に入りました。海外のNPOと連携し医師として多くの人を助けてきました。今まで海外で多くの難民を救って来た彼が、自分の国で動かないはずはありません。

福島では、ほぼ費用は持ち出しで、今までずっと辞めずに色々なサポートを続けてきています。だから現地では非常に高い信頼を得ています。

ただ、今回、本人の発言が、一人歩きしはじめたことで、実際に渋谷さんを知らない人は、「東大教授」というだけで「どうせ御用学者じゃないか」とか、「政府に言われて事実を隠そうとしてるんだろう」などと言うような人がでてきていて。。。。

私としては超!!!頭にきているわけです。 
(普段怒んない私がめちゃ怒ってる 笑)

3年間、福島のためにほぼボランティアで(スタッフ学生さんたちもボランティアで続けている)現地の人達のためにやってきた。だからこそ、子どもたちが、もしかしたら過剰な医療治療を受けているかもしれないことを本気で心配している。


福島の件以外でも、渋谷さんは、「東大の中の人なのに、この人は、ここまではっきり言うんだ」と他の医師や教授からも感嘆の言葉がでるぐらい、「悪い部分はなおさないといけない」と、ひとりでも立ち向かって戦うタイプの人です。

だから、ひとりでルワンダ難民キャンプに病院立ち上げにまだ危険な時期に行ってしまう。
そこに高い山があってどんなに危険だと言われても、弱い人を目にすると現場に駆けつけてしまう性格の人なんだと思う。

M




私は、ビル&メリンダ ゲイツ財団のプロジェクトを一緒にしているのですが、堂々と世界中のトップレベルの人と、間違っている事は間違っている。正しいことは正しい、と対等に議論、説得できる日本人は、そんなに多くはいないです。そういう意味でも、日本にとって大事な人じゃないかと思います。


福島に関する事はなんでもふたつにわれて、大騒ぎになりがちです。でも結局取り残されるのは、福島に住んでいる人たちです。

渋谷さんの発言の本意、読んで頂ければわかって頂けるのではないかと思います。

福島県の甲状腺検査のやり方を見直してほしい、と私が発言した理由




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この記事へのコメント
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なるほど。ハフポの記事とこの記事がセットになって、はじめて重要度や深刻さがわかりました。理性と感情、両方必要なのですね。
Posted by いちる at 2014年06月26日 00:11
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自分が信じるシナリオから外れる考えを、私などは、一切否定しまいがち。冷静に、信頼しあい、話合うことで、きっと新しい道が開けるはず。そのためには互いが真摯であること。相手だけじゃなく、自分も(私)って、感じました。
Posted by ポプリ at 2014年06月28日 09:21
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甲状腺検査のやり方を見直してほしいと言ってるのではなくて

検査結果とその対処を公表させてどのくらいまでなら手術しなくていいのかを皆で検討しようって言ってますね

無駄な手術で一生薬を飲み続けさせるのは良くないと
Posted by あああ at 2014年06月28日 23:29