2014年10月16日

叔母さんの愛

今日、旦那の親戚のおじさんが亡くなりました。

ちょうどランチを食べていた時に知らせがはいり、病院にかけつけました。

叔母さんは、泣き叫んでいました。
「なんで、私を残していくの」
「結婚する時、辛かったの。みんなに反対されたの」
私は思わず、彼女の肩を、腕をさすりました。


その横で病院の部屋の、片付けがはじまっています。

薬は捨てていいか、歯磨きやカップはどうするか。
伯父さんの靴はどうするか。

叔母さんは泣きながらも、それには答えます。
それは捨てないで。

伯父さんと叔母さんは、40数年前に、お互いすでに違う人と結婚していました。
叔母さんには子どももいました。

でも恋に落ち、まわりの大反対を押し切り、二人とも離婚したのです。
当時では大スキャンダルだったそうです。

「叔母さんの離婚事件、親族大騒ぎで大変だったんだよ。子どもだったけど覚えてる」
旦那が昔言ってたことがありました。

叔母さんは、私に
「一緒になったとき、なにもかもなくなってしまって。貧しくて。苦しくて。非難されて。辛かったの」
と言いました。

私は叔母さんの手をさすりながら
「でも好きな人と一緒になれて良かったね。寄り添えて一緒に過ごせて良かったね」
ともらい泣きしながら、言いました。

彼女はうなずきながら、唸るように苦しそうな顔で泣いています。

金色の布と思ったよりも軽そうな棺桶がはこばれてきて、淡々と、作業がすすみ
伯父さんはそこにはいりました。

たくさんのことを犠牲にして、愛したひと。

叔母さんは偶然骨折しており、車いすなので遺体と一緒には行けません。
伯父さんをのせた黒い車に向かって叔母さんが叫びました

「行かないで。私をおいて行かないで」

なんども。なんども。

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この記事へのコメント
こんにちわ。ブログ更新いつも、楽しみにしてます。
洋子さんの言葉には、いつも新しい発見があり、元気や勇気をもらっています。ありがとうございます。

ひとつ、なにか洋子さんらしい言葉を頂きたくコメントさせてもらいます。
実は最近色々なことがあり、彼からの信頼が自分に無いことに気付きお別れすることを決めて、彼に伝えたところです。彼には誠実に向き合ってきたつもりでしたが、結局彼はある方の話を信じ、私の言葉や行動を信じてはくれませんでした。正直に向き合う言動を取ってきたつもりだったので、信じてもらえずとても悲しい思いをしました。
細かいことは色々あったにせよ、別れを決めたことに後悔はしていません。
しかし、やはり寂しさに押しつぶされそうになります。
鳴らない携帯と、予定の空いた週末。
自分の趣味や友だちの時間にあててみるものの、ぽっかり空いた心の隙間。
またいい人に巡り会えると思うものの。
なにか、こんな今の私に洋子さんから、厳しくてもかまいません。言葉を頂けないでしょうか??
Posted by あやの at 2014年10月22日 10:02