昨日、ハフポストに掲載された記事は、私が関わっています。
レペゼン地球・DJ社長に聞いた「あの、でっち上げセクハラ炎上、なんだったんですか?」
内情を一番よく知っているものとして、皆さんの反応を見て、どうしてこの記事ができたか、書いておくべきだな、と思いました。
まずは、経緯から。
私は数年前に仕事でDJ社長と知り合いになりました。プロジェクトを通じて、色々な局面があり、だんだんと彼のことを知るようになりました。
そこでの、私のDJ社長の印象は「案外まともな人」でした。
ですから、ジャスミンにセクハラしたと聞いて、にわかには信じられませんでした。
「どういうことなの?」とすぐに連絡しました。
その時に、彼は、「実は誰にも言ってないんですけれど」と前置きして
「ドッキリで、僕たちが、ダメだろ、と最後ボコボコに怒られるです。だから大丈夫です。ご心配ありがとうございます」と。
私は驚いて言いました「これ壮絶に滑るよ」
でも、その時のDJ社長は、「大丈夫です。僕ら最後、めちゃくちゃ怒られるので」と明るく答えていました。
その時、私はすでに仕事の関わりもないし、そこまでの友情があるわけでもないのと、そんな言い切るならうまくいくのかな、と、そのままスルーしてしまいました。
それが、まぁ、予測通り、大炎上します。
私の友人が署名運動の展開をはじめます。
レペゼン地球:性被害へのセカンドレイプを助長する発信について謝って下さい #セクハラはネタじゃない
知っていたものとして、罪悪感しかありません。。。
当時、DJ社長は、長年の夢のドーム公演が中止になり、世間からの激しいバッシングに、ヤケクソな感じになっていました。そして、その後の彼は、言ってることや、新しい曲も支離滅裂な感じになっていきました。
「そういうの、ほんと人をバカにした感じで、良くないのでやめたほうがいいよ」
私が諭すように言うと、
「ふざけたことしたのは悪かったと思うけど、実際の、なんか犯罪をした人よりも、ひどい攻撃うけてるんすよ。だからもう開き直って突き進んでやろうと....」
それ聞いて、いやいや、それ絶対ダメだよ、と心の底から思いました。
その頃、彼は自分がやった炎上商法の結果、日本中から嫌われ、「死ね」と言われていました。ドーム公演が飛んで、億単位の借金も抱えることになっていました。
それから、私、DJ社長とぼつぼつ話をするようになりました。
確かに彼は「犯罪」はしていません。
でもなぜ、女性たちが、そこまで怒ったのか。なぜこんなリアクションになっているのか。
あなたのどこが間違えたのか。
どうして、私がお節介なまでに、そんなことを延々と伝えていたのか。
それは、私が、今まで多くのNPOに関わってきて、なかなか届かない声を自分自身、直接聞いてきた経験があるからだとと思います。
はじめ、彼は耳を貸す気配はありませんでした。「もう、いいから」という感じでもありました。
そして、実際、炎上も収まりつつありました。ファンは一定人数いるわけですから、彼にとって耳障りの良いことをいう人も沢山います。
でも、私は、いろんな話をメッセージし続けました。
性暴力の被害者を救う活動をされている方々からもらったセクハラ被害者からの直接の言葉。
あなたが無意識でやったことで今後の社会でどういうことが起きてしまうのか。
そして性被害の深刻さ。
彼にとっては耳の痛い話もありました。
そんな会話を、こつこつ積み重ねていく中で、だんだんと彼の中で何かが変わってきたのだと思います。
ある日、「謝罪動画を出すこと、考えます」と。
その時に
「じゃ、同時に、ハラスメントの本書いてる人との対談もしない?」そう提案しました。
これは、DJ社長のためにではなくて、パワハラ、セクハラ問題を訴えている人たちのために、社会的に意義があるかもと思ったからです。
彼が、だんだんと耳を傾けて、考えようとしていく様子を私は傍で見ていて、それが、今まで、頑張って世の中を変えようとしている人達の力になるかもと思ったのです。
対談相手の白河桃子さんは最近「ハラスメントの境界線」という本を出されています。対談をお願いすると、「届いてない若い子たちの為にも、社会にとっても必要なことだと思うから、覚悟を決めた」と言ってくれました。白河さんはこの問題の深さをよく理解しているからこそ覚悟が必要と言ったのだと思います。
この対談を読んで、「#MeToo運動」や、「セカンドレイプ」という言葉を知らないなんて信じられない、と思った方々も多かったと思います。実は、私も白河さんも対談中、2度聞き直して顔を見合わせてしまいました。
また、「無知だった、それで許されると思うなよ」と言う方もいました。
ほんと、その通りです。「これで許されると思うな」です。
だからこそ、このままうやむやに終わってしまいたくなかった。それよりも、話を続けることで、3ヶ月前に起こったことをちゃんと検証し、そのことを、みんなにもう一度、思い出してもらいたかったのです。
今まで、様々な質問をDJ社長にしてきました。本当に「そこ、わからないんだ」と無力に感じたこともありました。でも、その「わからない」に、私はこれからも会話を続けていくと思います。
これで、終わりではないです。
これが、きっかけ、になればと思っています。